坂本九さんの歌で1963年にレコード発売された「見上げてごらん夜の星を」は『九州じゃんがら』の社歌です。

1993年に原宿1階店(現・原宿店)が開店すると、作詞家の永六輔さんがご来店くださるようになりました。奥様と一緒にご来店くださることもありました。
永さんのご自宅は表参道を挟んで店舗の向かい辺りにありましたので、私たちが朝、表参道を掃き掃除していると通りかかられることもあり、「おはようございます」とご挨拶すると、いつも会釈を返してくださいました。

「見上げてごらん夜の星を」が私たちの心の歌、社歌であること、感謝の気持ちを作詞をされた永さんにお伝えできたらと常々思っていました。
しかし、九州じゃんがらでは、著名人、有名人の方であっても、ご来店されればお客様です。ご迷惑となるような特別な対応はしないことにしています。

どうしたら、自然な形でお伝えできるか。
考えた末、入社式などで使用している歌詞カードをお見せすることにしました。 まもなくして、永さんがご来店されましたので、「見上げてごらん夜の星を」を社歌とさせていただいていることをそっとお伝えし、歌詞カードをお見せすると、「ムフフッ!」と声を出して笑っていらっしゃいました。
その場で特にご返事はいただけませんでしたが、私たちとしては永さんご本人にお伝えできたことで十分でした。

しかし、しばらく経ってのことです。
永さんのラジオ番組を欠かさず聴いているという方から、番組内で永さんがこのように仰ったと私たちに伝えられました。

私の作った「見上げてごらん夜の星を」を大事に歌ってくれている会社があるんです。 私がよく行く原宿のラーメン屋さんの会社なんですけどね。すごく嬉しく思っています。


本当に感激しました。私たちが社歌にしていることを永さんが公認してくださったのです。
私たちとしては、お伝えできただけで満足でしたが、永さんが心に留めていてくださり、ラジオ番組の中でそのことに触れてくださったことは、私たちに心の繋がりがあったからこそではないかと大変光栄に思っています。