神田本店(現・秋葉原本店)厨房内、開店に向けての準備の最中です、 九州出身のあるスタッフは一心に作業をしていると、あるアイデアが浮かびました。

豚骨ラーメンに味噌ば入れたら、どぎゃん (どんな) 味んなるとやろか

思い立ったら、やってみないと気がすまないのが九州男児です。早速作ってみることにしました。 試作を始めると、その様子を関心を持って見ていた別のスタッフが口を出してきました。

味噌は、一種類よりも二種類んほうが味が良くなるけん (良くなるから)、もうひとつ別の味噌ば、入れてみなっせ (入れてみてごらん)。

言われた通りに別の味噌を加えたスープを味見をすると、確かにコクが増しています。

うまかあ!

どれどれ… うーん、これはこれでうまかばってん (美味しいけれど)、色の違う味噌ば、入れてみなっせ

再び言われた通りに別の味噌を加えてみると…

わいたあ!こりゃ、たいぎゃ(すごく) うまかあ!

どれどれ…
うわっ!うわっ!舞うごつ(踊り出すほどとても)うまかもん!

スタッフの思い付きは、いつの間にか「九州じゃんがら」のスープにふさわしい「合わせ味噌」の調合に発展していたのでした。 豚骨スープに味噌を入れるアイデアが閃いたスタッフと、味噌は合わせることで味噌特有のくせが抑えられ、マイルドな風味になるという知識のあったスタッフ。まさに「合わせ味噌」のように、双方の良さが引き立てられた出来事でした。